
こんにちは。具です。
6月のプライド月間にちなみ、今回はちょっと真面目に、わたしたち“ふうふ”が「結婚」や「これから」について、考えてきたことや実際にやってきたことをまとめてみようと思います。

わたしたちが付き合って、夏でちょうど20年。8年前には結婚式もしました(※法的な婚姻はできないけど、式を挙げることはできます)。
ここに至るまで、一度お別れした時期もありましたが、今はふたたび一緒に暮らしています。いわゆる“紆余曲折”というやつです。
でも、そのどの時間も、今のふたりを形作ってくれた大切な道のりだったと今は思っています。
そんなわたしたちですが、「これから先もふたりで暮らしていきたいね」と未来の話をするとき、ちょっとだけ立ち止まってしまうこともあります。
たとえば、老後のことやもしどちらかが先に亡くなったら…という話。
これは異性カップルでも簡単なテーマではないと思いますが、同性カップルにとっては、乗り越えるべき制度の壁や見えにくい不安が、よりリアルにのしかかってきます。
🏠持ち家問題〜家の名義はわたし〜
今、わたしたちは、持ち家でいっしょに暮らしています。名義は私。
ふたりで選んだ、ふたりの家。だけど、法的には“他人”とされる私たち。買う前も、買うときも、買った後も、ずっと頭に残るのは、「もし私が先にいなくなったら、この家にパートナーはそのまま住めるのかな?」という不安。
名義人が仮に死亡した後、同性パートナーがその家に法的に住み続ける手段は、残念ながら日本にはまだ、“婚姻と同等の保護”として明文化されていません。
できる手段のひとつとして、公正証書遺言の作成があげられます。
他にも、養子縁組で法的な親子関係になる方法や、生前贈与、死因贈与契約などの手段もありますが、わたしたちは公正証書遺言で進める予定です。

わたしたちは、1年前に公正証書(パートナーシップの合意契約と任意後見契約)を結びました。公証役場へ直接行って作ったので、費用は数万円程度と、割とリーズナブルにできた方(法的には結婚できたらタダなのに)。わたしたちなりに、できることはやっているつもりです。
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それでも、不安はゼロにはなりません。
「家は名義上、私のもの。じゃあ、私がいなくなったら…?」
「どこまで今の制度でおたがいを守れるんだろう?」
“なにかあったときの心配”が、日常のどこかにずっとまとわりついているような感覚があります。
💒「結婚」ってなにか、考えたことありますか?
そもそも、「結婚」ってなんなんでしょうね?
世の異性カップルの皆さんは、「なぜ結婚するのか」考えたことありますか?おそらく、深く追求したことがある人の方が、少ないのではないでしょうか。
「結婚」をすると、あたりまえのようにさまざまな法的保障が得られる仕組みになっています。
- たとえば「相続」。配偶者は法定相続人になり、財産を自動的に相続できます。
- たとえば「税制」。配偶者控除、相続税の配偶者特別控除などが適用され、税負担が軽減されます。
- たとえば「社会保険」。配偶者の扶養に入れる(年金・健康保険)。扶養内で働くなど生活設計が可能です。
制度の良し悪しは置いといて(それを議論したいのではないので)、結婚をすれば、こうしたさまざまな保障や権利が自動的に付与されるというのは事実です。
しかし、日本ではまだ、同性同士の法的な結婚は認められていません。パートナーシップ制度が整ってきたので、法的に結婚できるようになったと思われる人もいるのですが、パートナーシップ制度には、法的保障は付属していないので、法的な婚姻制度と同等ではないのです。
そのため、法的な結婚ができるようになるのかわからない今、わたしたちは前述のように、お金と時間を掛けて、自分たちで対策をしなければなりません。
すでに一緒に暮らして、生活も長く続いていて、結婚式までしているわたしたち。家族って、結婚って、なんだろうなって考えることが多いです。
🌈おわりに:特別じゃない私たち
こんな感じで、ふたりの未来を話すとき、同性カップルだからこそ、少し立ち止まる場面がどうしても出てきます。
でも、わたしたちが望んでいるのは、特別なことではなくて、ただの日常なんです。
おやつを食べたら夕飯が入らない私と、いつでももりもり食べられるパートナー。
テレビを見ながら歯をみがく私と、洗面所から動かない派だったパートナー(※今では一緒にテレビを見ながらみがいています)。
そんなふたりが、今も変わらずいっしょに笑って暮らしている。
将来のことを話すとき、なにかを決める前に立ち止まって、「わたしたち、法的には家族じゃないし」と問い直すのは、もう“自然な慎重さ”になっているのかもしれません。
でも本当は、ただもっとシンプルで、あたりまえの暮らしがしたいだけ。
けれど現状は、法律という壁にふたりでぎゅっと挟まれて、ちょっと息苦しいときがあります。“はさまれ体質”なふたり、いつのまにかその日常にもだいぶ慣れてきました。でも、それは「慣れたかった」わけじゃない。
できるなら、きちんと制度の中で安心して暮らせる未来がほしい。
その未来をあきらめたくないから、はさまれつつも、話しながら、笑いながら、声を届け続けたいと思います。
ブログを読んでくださる人の中には、もしかしたら同じように悩んだり、先が見えなくて不安になったりしてる人もいるかもしれませんね。どうか、たとえ立ち止まったとしても、また笑って歩き出せる未来がありますように。
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ちなみにうちの猫さまは、私たちが将来の話をしていると、たいてい途中で話に割り込んできます。膝に乗ってきたり、間に座ったり、なぜかその瞬間にトイレに入ったり。たぶん、「むずかしい顔しないで、今をちゃんと見なよ」ってことなんでしょう。
まったくもう……。でも、やっぱりありがとう。今日も猫さまは、絶妙なタイミングで、日常に引き戻してくれる頼もしい家族です。